J-RAIL2017 開催のご挨拶

J-RAIL2017に関わる全ての皆様

 2014年以来3年ぶりに,J-RAILを新潟で開催させていただくこととなりました.前回(J-RAIL2014)も土木学会が主催学会となり,構造工学委員会鉄道工学連絡小委員会が運営を担当致しました.土木学会主催の年の本シンポジウムは,日本機械学会,電気学会の他に,日本交通学会にも共催学会として参加いただき,名称も「鉄道技術・政策連合シンポジウム」に改め,研究分野を拡張して発表を募っております.前回は久々の東京以外での開催ということもあり,土木学会主催のJ-RAILとしては過去最高の200件弱の発表件数となりました.それから3年後での再度の新潟開催ですので,発表件数が減るのではと心配しましたが,前回より1割以上多くの申し込みをいただくことができました.
 三日間にわたる講演セッションとショットガンセッションの他に,二日目午後に特別セッションを開催致します.今回は「これからの鉄道 技術革新(イノベーション)」と題して,IT技術の鉄道分野への展開を特別セッションのテーマとさせていただきました.AI, IoT, ビッグデータなどの用語は,今や様々な分野で耳にするようになってきました.政府が示した科学技術政策基本方針である「第5期科学技術基本計画」の中では,「世界に先駆けた超スマート社会の実現(いわゆるSociety 5.0)」が提唱されており,AI, IoTなどの技術の様々な分野への適用が重要視されております.これらの技術の有用性は,誰もが疑わないものでありますが,実際の適用となると,具体的に何をすれば良いのかが分からず,ようやく模索し出した段階というものがほとんどのように思われます.これは鉄道分野においても同様であり,車両や施設などの保守管理をはじめ,様々な場面での活用が期待されてはいるものの,その具体的方策となると未だ手探り状態なのではないでしょうか.当日は,土木学会,日本機械学会,電気学会より3名の講師をお迎えして,各分野における事例紹介や課題などについて基調講演をいただいた後,講演者をパネリストとしてパネルディスカッションを計画しております.
 三日間にわたる講演セッションに加え,特別セッションでの議論が,ご参加の皆様にとって有益なものとなれば幸いであります.年に一度,鉄道分野の技術者・研究者が一堂に会する本シンポジウムへの皆様のご来場を,お待ちしております.

平成29年11月

J-RAIL2017実行委員長  
新潟大学 教授 阿部和久